和菓子

関東風と関西風の桜餅って?

今日は「ひな祭り」。
ひな祭りの和菓子といえば・・・「桜餅」を思い浮かべた人、多いのではないかと思います。淡いピンク色と桜の葉の香りで、季節を運んで来てくれます。

ところで、この桜餅、関東と関西では違うのをご存じでしょうか?
おそらく両方とも見たことはあるのでは、と思います。
どちらもその地方では単に「桜餅」と呼ばれていますが、区別するときには「長命寺」「道明寺」と呼んでいるようです。
私は東京出身ですが、両方とも何気なく買ってきて食べていたのですが、その違いについてあまり知らなかったので、詳しい桜餅事情をちょっと調べてみることにしました。

 

関東風の「長命寺(ちょうめいじ)」

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外見: 小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いた、クレープ状のお餅。
由 来: 隅田川沿いにある長命寺の門番・山本新六さんが、桜の落葉掃除に悩まされ、葉っぱを塩漬けにして、お餅を包んで売ってみた、というのが始まりと言わ れています。大ヒットの江戸時代から約300年、現在も向島「長命寺 桜もち 山本や」の桜餅はかわらず愛され続けています。
「長命寺」または「長命寺餅」と呼ばれ、関東ではこちらのタイプの桜餅が主流です。
(先日、私が作った桜餅も、こちらのタイプ。)

 

■関西風の「道明寺(どうみょうじ)」

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外見: 道明寺粉で皮を作り餡を包んだ、まんじゅう状のお餅。
由 来: 道明寺は大阪・藤井寺にあるお寺の名前ですが、お菓子そのものの直接の発祥の地、というわけではなく「道明寺粉」という材料を使っているため、そう 呼ばれています。道明寺粉とは、もち米を蒸して乾燥させ粗挽 きしたもの。大阪の道明寺で保存食として作られたのが起源で、道明寺粉と呼ばれています。つぶつぶした食感が特徴です。
関西では、こちらのタイプの桜餅が主流で、「道明寺」または「道明寺餅」と呼ばれています。

 

出身地によって馴染んだ桜餅が違うので、違うタイプの桜餅を知ったときはびっくりしますが、最近は「長命寺」「道明寺」どちらもよく見かけるようになったので、好みで選んでみても楽しいでしょう。

 


先週末、「関東風」の由来となった向島「長命寺」の桜餅を求めに「山本や」さんに伺いました。
家まで待ちきれず、隅田川沿いでいただこうと、箱を開けた途端に桜の葉の香りに包まれました。葉の香りと風味がうつったモチモチの皮と上品な甘さの餡、この絶妙な美味しさの桜餅は、少し早目の春を感じさせてくれました。

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