サラリーマンなど会社に勤めていれば、厚生年金に加入しているので、年金は、国民年金(老齢基礎年金)に厚生年金(老齢厚生年金)や厚生年金基金がプラスされて支給される。
自営業やフリーランス(第1号被保険者)の場合、国民年金(老齢基礎年金)のみになるので、満額でも年金額は年間77.93万とかなり少ない。国民年金基金は、自営業やフリーランスが年金額を増やすために用意されている公的年金で、加入していれば、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せできる。
50歳アラフィフの自分が、50歳のこれから加入してどうなるのか、調べてみた。
目次
どこが運営している?
『国民年金基金』は、平成3年4月に創設された国民年金法の規定に基づく公的年金。
運営しているのは、『国民年金基金』という公的な法人で、大きく2つに分かれる。
<2つの国民年金基金>
・47都道府県で設立されている「地域型基金」
・25の職種で設立されている「職能型基金」
これらの各年金基金を『国民年金基金連合会』がまとめているイメージ。
『地域型』と『職能型』のちがいは?
『地域型基金』と『職能型基金』の内容(掛金、年金額)は同じで、どちらか一つのみに加入できる。
『地域型基金』は住んでいる都道府県の基金に加入できる。
例えば、東京都に住んでいれば、『東京都国民年金基金』に加入できる。
『職能型基金』は働いている職種に該当する基金があれば加入できる。
例えば、税理士なら『日本税理士国民年金基金』に加入できる。
どちらか一つなので、東京在住の税理士だからといって、両方には加入できない。
だれが加入できる?
国民年金基金に加入することができるのは、自営業やフリーランスなどの第1号被保険者。
会社員など厚生年金に加入している場合は、加入できない。
・20歳以上60歳未満の第1号被保険者(自営業、フリーランスとその家族、学生など)
・60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している場合
※国民年金の保険料を免除している場合は加入できない。
どうやって加入する?
国民年金基金の配布する『加入申出書』に必要事項を記入して、『地域型』か『職能型』の加入する基金に郵送すれば加入できる。
掛け金の支払いは、加入時に記載の指定口座からの引き落とし
加入申出書ダウンロード:国民年金基金
https://www.npfa.or.jp/procedure/detail.html
給付内容はどうなってる? 掛金はいくら?
基金の掛金は、月額6万8,000円を上限に自由に掛けることができる。支払いは60歳まで(60歳加入時は65歳まで)。
給付の内容に応じて、終身年金が2種類、確定年金が5種類用意されていて、それぞれに口数という形で選んで掛けることができる。年金支給時は、掛けた口数分だけ年金額が加算されて支給される。
掛金は、給付の種類、年齢、性別によって変わってくる。
1口目の給付の種類
1口目の給付の種類は終身型が2種類、下記のどちらかを選択して掛ける。
A型には15年の保証があり、年金受給前、保証期間中(80歳まで)に亡くなった場合、遺族に一時金が支給される。年金は終身で給付される。
給付の種類 | 支給開始年齢 | 保証の有無 | 掛金月額(男性:50歳0月時) |
---|---|---|---|
終身年金A型 | 65歳支給 | 15年保証あり | 17,940円 |
終身年金B型 | 65歳支給 | 保証期間なし | 16,110円 |
2口目以降の給付の種類
2口目以降の給付の種類は、終身型2種類、確定年金型5種類の中から選んで、合計6万8,000円を上限(1口目含む)に何口でも掛けることができる。ただ、確定年金の掛金の合計が、終身年金の合計(1口目含む)を超えないことが条件。
確定年金は、給付が終身ではないので、それぞれ保証期間のみ給付される。終身A型と同様に、年金受給前、保証期間中に亡くなった場合、遺族に一時金が支給される。
例えば、確定年金Ⅱ型の場合は、65歳から支給が開始され、75歳まで支給される。
給付の種類 | 支給開始年齢 | 保証の有無 | 掛金月額(男性:50歳0月時) |
---|---|---|---|
終身年金A型 | 65歳支給 | 15年保証あり | 8,970円 |
終身年金B型 | 65歳支給 | 保証期間なし | 8,055円 |
確定年金Ⅰ型 | 65歳支給 | 15年保証あり | 6,370円 |
確定年金Ⅱ型 | 65歳支給 | 10年保証あり | 4,405円 |
確定年金Ⅲ型 | 60歳支給 | 15年保証あり | 6,865円 |
確定年金Ⅳ型 | 60歳支給 | 10年保証あり | 4,745円 |
確定年金Ⅴ型 | 60歳支給 | 5年保証あり | 2,460円 |
例えば、50歳時の場合で上限月額6万8,000円まで8口掛けるとこんな感じ。
<1口目>終身年金A型:17,940円
<2口目>終身年金A型:8,970円
<3口目>確定年金Ⅰ型:8,970円
<4口目〜8口目>終身年金A型:6,370円×5 = 31,850円
掛金月額の合計67,730円
掛金の割引あり?
掛金は、1年分を前納すると0.1か月分の掛金が割引される。
それぞれの掛金の月額は、下記で算定できる。
掛金の月額算定:国民年金基金
https://www.npfa.or.jp/check/table.html
もらえる年金額はいくら?
国民年金基金の実際に支給される年金額は、掛け始めた年齢、種類、口数によって決まる。
男性:40歳から20年加入、終身A型に5口(60歳まで)掛けていた場合の年金額は、
口数 | 掛金月額 | 年金額年額(月額換算) |
---|---|---|
終身年金A型:5口 | 30,730円 | 426,342円(35,528円) |
男性:50歳から10年加入、終身A型に3口(60歳まで)掛けていた場合の年金額は、
口数 | 掛金月額 | 年金額年額(月額換算) |
---|---|---|
終身年金A型:3口 | 35,880円 | 237,880円(19,823円) |
年金額シミュレーション:国民年金基金
https://www.npfa.or.jp/check/simulator.html
国民年金基金、50歳からでも加入した方がいいのか?
国民年金基金は、年齢が若いことから加入していれば、メリットが大きそうだが、50歳アラフィフの自分が、今から加入してメリットがあるのか? 気になるところ。
男性:50歳から加入、終身A型に3口(60歳まで)掛けていた場合の年金額は、
年金額年額(月額換算):237,880円(19,823円)。
掛金月額は、35,880円
10年間掛けた場合の総額と、85歳までの年金支給額を比べてみると、
口数 | 掛金月額 |
---|---|
掛金合計(10年)60歳まで | 月額35,880円×12ヶ月×10年 4,305,600円 |
年金額合計(20年)85歳まで | 年額237,880円×20年 4,757,600円 |
10年支払った430万を取り戻すのが84歳ぐらいと考えると、メリットがあるのか考えどころ・・・。
毎月同額を、NISA投信などに投資していた方が、リターンは大きくなるような感じもする、15年使うことができない年金掛金か、必要なときに解約できるNISAにするか、よく検討した方がようさそうだ。
50歳アラフィフになったら気にある年金のこと。
自営業、フリーランスなら『国民年金基金』に加入していなければ、一度は活用するかを考えておきたい。
50代からの人生をもっと愉しくするために。