お金のこと

【iDeCoってなに?①】始める前に知っておきたい基本的なこと

年金を増やす方法で登場した『個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)』。
掛け金も運用も自分で選んで決めて、自分自身で作る私的な年金。実際に「iDeCo」を始めるにあたって、知っておきたい基本的なことからトクするためのことまで調べてみた。

まずは始める前に知っておきたい基本的なことから。自営業目線で。

【加入資格】誰でも入れる?

20歳以上60歳未満の国民年金加入者なら、ほぼ全員。
※加入できない場合:国民年金の保険料納付を免除されている方、農業者年金の被保険者など。

【掛金の上下限】いくらから始められて、どれくらい増やせる?

掛け金の下限額

月額5,000円から。あとは1,000円単位で自由に設定可能

掛け金の上限額

上限は一律じゃなくて、各々の職業などによって異なる。
自営業・フリーランス・学生など:月額68,000円
・会社員・公務員など:月額12,000円〜23,000円
・専業主婦(夫):月額23,000円

自分で決めた毎月一定額の「掛け金」を60歳まで払い続けなければならない。
・掛け金の額の変更は年1回。
・掛け金の支払いの停止や再開はいつでも可能。(ただし停止すると、その分の運用チャンスを逃し、税制優遇も低くなる)

掛金設定のポイント

・60際まで払い続けることを考えて、無理のない金額設定からはじめる。

・負担が多くなったら、停止せずに最低月額5000円に減らして払い続けるのがおすすめ。

【メリット】iDeCoのいいところ

(1) 最大のメリットは、3つのステージで「税金が安くなる」優遇があること。

①積立時 掛金が全額「所得控除」されて、税金が戻ってくる(所得税・住民税軽減)
例)年収500万で、月2万円、50歳から10年積立で始めた場合
 戻ってくる額:4万8千円/年(60歳まで総額:48万円)
②運用時 運用中に発生した利益に税金はかからず、再投資できる
例)月2万円×50歳から10年積立・運用利回り年3%(仮定)の場合
 ・10年目の元本:2,40万円
 ・非課税(iDeCo)の場合の10年目残高:約276万7千円
 ・税引された場合の10年目残高:約268万2千円
 ・差額: 約8万5千円 ←この分おトク!
③受取時 受取り時、「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象で税金の優遇がある
例)毎月2万円×50歳から10年積立(自営業で他に退職金なし)の場合
【一時金方式】退職所得控除額 400万円以下は非課税
【年金方式】公的年金控除額 65歳未満:70万円・65歳以上:120万円以下は非課税

 ※ ③は他に退職金や年金がある場合は、合算した金額になるので要確認。

(2) 自分で、掛け金も運用する商品も選べること。リスクもあるが、自分次第でより年金額を増やせる可能性もある。

(3) iDeCoでは金融機関が万が一破綻しても顧客資産は守られ、あくまでも自分自身の資産なので必ず受給できること。

【デメリット】iDeCoの注意するところ

(1) 利用するのに一定の費用がかかること。
【初期費用】口座開設:2,777円(共通)+加入料:無料〜1,000円程度(投資会社による)
【毎月ごと】①国民年金基金連合会手数料:103円(共通) + ②事務委託金融機関手数料:64円(共通) + ③口座管理費用:無料〜500円程度(投資会社による)

(2) 投資信託を選ぶと、信託報酬という手数料が毎月かかること(金額差がかなりある)。

費用を抑えるヒント

(1) の③の口座管理手数料は長い期間になれば金額もかなり大きくなるので、投資会社の選択も慎重に。
<例> 口座管理費用500円で10年積立の場合:無料に比べて60,000円も余分に出費

(2) の信託報酬は低いほうがいいとはいえ、そこだけを重視せず、利回りなども踏まえての商品選びが重要。

(3) 投資なので、元本割れのリスクもあること。

(4) 60際まで引き出すことができないこと(原則、中途解約不可)。
 ※ ただし、これは老後の資金と考えれば、人によってはむやみに引き出せないというメリットとも言えるかも・・・。

【受け取り方】iDeCoの受け取りについて

受け取れる年齢

受け取り年齢は、60歳以降で、開始の時期は70歳までの間で選べる。

ただし、60歳で受け取れるのは、加入期間10年以上必要
10年未満の場合は、加入期間によって受け取り開始年齢が決められている。

加入期間 10年以上 8年以上
10年未満
6年以上
8年未満
4年以上
6年未満
2年以上
4年未満
1ヶ月以上
2年未満
受け取り開始年齢 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳

50歳過ぎてから加入すると、60歳では受け取れないってこと!
なるほど、60歳以降は、新規では加入できないけど、運用は継続することができる仕組みらしい。50歳過ぎて加入する気持ちがあるなら、ちょっと急いだほうがいいかもね!

受け取る方法は3種類

受け取り方法は、主に3種類から選ぶことができる。
ちなみに、70歳までに選択しなかった場合は、70歳時に「一時金」として支払われるらしい。

一時金として一括で
原則60歳になったら、70歳になるまでの間に一時金として一括で受け取れる。
【退職所得控除対象】
・勤続(加入)年数20年未満の場合:40万円×勤続(加入)年数
・勤続(加入)年数20年以上の場合:800万円+70万×(勤続(加入)年数-20年)

年金として分割で
原則60歳になったら、年金(5年〜20年)として分割で受け取れる。年金方法を選択すると5年間は変更不可。
受け取り開始年齢を70歳にすると、最長90歳まで受け取れる、ということ。
【公的年金控除対象】
・65歳未満:70万円までは非課税
・65歳以上:120万円までは非課税

一時金と年金の組み合わせで。(運営管理会社によって、できない場合もある)
原則60歳になったら、一時金と年金を好きな金額で組み合わせて受け取れる。
【退職所得控除対象】【公的年金控除対象】
・他の退職金や年金が多い場合、税金を抑えるのにかなり有効。

[box class=”pink_box” title=”受け取りのポイント”]
・受け取り方や受け取る時期によって、税金額を大幅に抑えることができる。
・自分の退職金や年金の金額や受領時期もきちんと確認すること。
・老後の資金の使い方もだけど、受け取る方法も年齢もよーく熟考してから決める。(他からの退職金や年金の多い場合は特に)
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iDeCo公式サイト:https://www.ideco-koushiki.jp/

iDeCo奥が深〜い!最初の一歩の「基本的なこと」の次は、加入の仕方を学んでみたい。
50代からの人生をもっと愉しくするために。