40代は、受給額が減ってきているという認識はあったけど、深堀せずなんとなーく知ってたつもりの年金のこと。50代になったら急に気になり始め、毎年送られてきているはずの「ねんきん定期便」もマジマジ眺めて見たり。
実は、年金そのものについてさえ、ちゃんと分ってない・・・、ということではじめの一歩から調べてみた。
そもそも年金って?
年金は、公的年金と私的年金に分けられる。私的年金はその名の通り各個人が行なうもの。で、私たちが通常、納付書払いや給料からの天引きなどで納めているのが『公的年金』。まず知りたいのはココ!
そして、その「公的年金」も以下の2種類(2015年9月〜※)あって、働き方で加入制度が決まってしまうのだと。
制度 | 加入する対象 | 保険料の納付 | 受け取れる年金 |
---|---|---|---|
国民年金 | 日本国内に住む20歳以上60未満のすべての人共通 | 3種類あり、対象によって納付方法が異なる(下記参照) | 老齢・障害・死亡により『基礎年金』のみ受け取れる |
厚生年金 (共済組合も含※) |
厚生年金保険加入の事業所に勤務するすべての人 | 厚生年金保険料の中に国民年金保険料も含む | 『基礎年金』『厚生年金』両方共受け取れる |
※2015年10月から、公務員・私立学校職員を対象とした「共済年金」は、「厚生年金」に統合され、一本化。2015年9月までの共済年金加入に関しては「共済年金」の制度を適用。
国民年金制度は、さらに3種に分類
種類 | 対象者 | 保険料の納付 |
---|---|---|
第1号被保険者 | 自営業、学生、フリーター、無職など | 納付書・口座振替など自分で納付 |
第2号被保険者 | 厚生年金保険保険適用の事業所勤めなどのサラリーマンや公務員など | 厚生年金保険料に含まれているので、自動的に加入・納付 |
第3号被保険者 | 20歳以上60歳未満の第2号被保険者の配偶者(年間収入130万円未満)。専業主婦など。 | 配偶者が加入する年金制度で納付(自分で納付しなくてよし) |
受け取れる年金は3つ
ちなみに、私たちが受け取れる年金は、以下の3つの場合。(基礎年金・厚生年金共に)
【老齢年金】年を取ったとき
【障害年金】一定の障害の状態になったとき
【遺族年金】死亡したとき
つまり、自営業や専業主婦は、入りたくても厚生年金制度には加入できない!
受け取る年金も「基礎年金」のみ!ってこと〜!!
じゃあ、基礎年金と厚生年金との差は?、いやそもそも、基礎年金でさえも、いつから? どれくらいもらえるの? など知りたいことがいっぱい・・・。
誰もが年をとったらもらえるはずの【老齢年金】について、まずは基本的なこの疑問、解決していこうではありませんか。
年金って、いつ(何歳)からもらえるの?
【老齢基礎年金】
・原則、65歳。
・希望すれば、60歳から65歳の間で繰り上げ(月単位で年金額の減額)、65歳から70歳の間で繰下げ(月単位で年金額の増額)でもらうことが可能。
【老齢厚生年金】
・原則、65歳。
・生年月日が昭和36年4月1日以前の男性・昭和41年4月1日以前の女性は、60~65歳の間に「特別支給の老齢厚生年金」などの段階的な年金を受け取ることも可能。
ということは、今のまんまの制度でいけば、私は50歳だから、厚生年金は65歳からしかもらえないけど、国民年金は希望すれば60歳からもらえる、ってことなのね!
でも金額は減額されちゃうか・・・。
年金って、みんなもらえるの?受け取れる条件は?
年金って、払えなかった期間が長いともらえない、と聞いたことも・・・。本当は?
【老齢基礎年金】
・国民年金の保険料を納付した期間と免除期間が10年以上なこと。
(平成30年より条件期間を25年から10年に変更。)
【老齢厚生年金】
・老齢基礎年金の条件(上記)を満たしていること。
・厚生年金保険の被保険者期間が1ヶ月以上なこと。
国民年金は、今年から10年以上支払いしていればもらえることになったんだ!!
昨年までの25年間だと厳しいけど、10年なら、50歳からでも毎年払えば、ギリギリ間に合うってことだもんね。
年金って、どれくらい(金額)もらえるの?
【老齢基礎年金】
20歳〜60歳までの全期間40年納付で満額(金額は毎年変動)もらうことができ、それ以外は加入期間(保険料納付期間)の長さのみで決まるのでシンプル。
・20歳〜60歳までの40年間納付:満額 779,300円 / 年(平成30年からもらう場合)
・それ以外:「779,300円 × 加入期間(原則:保険料納付期間)(月数)/480」
※加入期間中に、免除期間のある場合は、計算要素が追加されるので、こちらで確認してみて。
【老齢厚生年金】
国民年金(老齢基礎年金)に比べると、平成15年4月より計算方法の変更により、ちょっと複雑。
また、厚生年金は期間の制限もなく、保険料も年収によるので、満額というのはないけど、比較のため、保険料の上限金額で仮に計算してみた。
・20歳〜60歳までの40年間納付(単身・平均月給620,000円):1,998,086円 / 年(平成30年からもらう場合)
<大まかな老齢厚生年金受給額>
平均給与(標準報酬月額) | |||||
---|---|---|---|---|---|
30万 | 40万 | 50万 | |||
加入期間 | |||||
30年 | H15.3まで | 769,000 | 1,026,000 | 1,282,000 | |
H15.4から | 591,000 | 789,000 | 986,000 | ||
40年 | H15.3まで | 1,026,000 | 1,368,000 | ,710,000 | |
H15.4から | 789,000 | 1,052,000 | 1,315,000 |
※1000円未満は切り捨て。
ちなみに、簡単な計算式はこちら ↓↓↓
平均給与の出し方が、平成15年3月までは月給のみで、平成15年4月以降はボーナス込みの年収÷12で算出。加入期間が両方またがる人は各計算式で算出した合計額が、もらえる厚生老齢年金に。
・平成15年3月まで:「平均月給 × 7.5/1000 × 加入期間」+「経過的加算」+「加給年金額」
・平成15年4月以降は:「平均月給(年収÷12)× 5.769/1000 × 加入期間」+「経過的加算」+「加給年金額」
※正式な計算式はこちらで確認してね。
厚生年金は、さらに「老齢基礎年金779,300円」が追加されるとなると・・・同じ40年でこの差はかなり驚愕!
50代になったら、早めに自分のもらえる年金をあらためて確認しておいたほうがいいかも。自営業の場合は特に。
50代からの人生をもっと愉しくするために。