働きながら年金をもらうと、年金が減額されてしまうって本当だろうか?
継続雇用制度や定年の廃止などで、60歳以降も続けて働けるようになると、働きながら年金をもらって給与と年金で収入を増やそうと考える。50歳アラフィフの自分もそのひとり。
でも、もらう給与によってはもらえるはずの年金が減ってしまうようだ・・・。
厚生年金に加入していると対象
日本年金機構のHPを見てみると、
減額対象となるのは、厚生年金(老齢厚生年金)。
国民年金(老齢基礎年金)は対象外なので、自営業やフリーランスなどで厚生年金に加入していなければこの話は関係なさそう。
60歳から年金をもらいながら、自営業で働いていくら稼いでも、もらえる年金が減ることはない。
減額される可能性があるのは、会社勤めで社会保険(厚生年金)に加入している場合。
加入している場合で、65歳未満と、65歳以降で基準が変わる。
ちなみに、働きながら年金をもらうことを『在職老齢年金』というらしい。
在職中の年金:日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/20140421.html
65歳以降で働いている場合
まず、『年金の月額』と『給与の月額』の合計が47万以下であれば、減額はない。
もし、47万を超えていた場合は、超えた分の半分(1/2)がカットされる。
年金月額 + 給与月額(報酬月額) > 47万円
例えば、
・年金月額:20万
・給与月額(報酬月額):40万
の場合
給与月額には、ボーナスも含むのでボーナスをもらっている場合は注意が必要。ボーナスは過去1年のボーナス合計を12ヶ月で割ったもの。
年金月額 + 給与月額 = 60万
合計が47万を超えているので、超えた分(13万)の半分がカット。
(60万 – 47万) / 2 = 13万 / 2 = 6.5万円:カットされる額
支給される年金月額:20万 – 6.5万 = 12.5万円
7万カットされ支給される年金は12.5万になってしまった・・・。
年金が全額カットされる場合も
さらに、年金が全額カットされる場合もある。
例えば、
・年金月額:20万
・給与月額(報酬月額):67万
の場合
年金月額 + 給与月額 = 87万
合計が47万を超えているので、超えた分(40万)の半分がカット。
(87万 – 47万) / 2 = 40万 / 2 = 20万円:カットされる額
支給される年金月額:20万 – 20万 = 0万
なんと、この場合は年金は全額カット。
でも、66万も年金の他に収入があるのなら、年金に頼らず生活できるわけで、受給開始を繰り下げるなどして、同じタイミングでもらう必要もない。
65歳未満で働いている場合
50歳アラフィフの自分が年金をもらう時は、厚生年金(老齢厚生年金)の受給開始は65歳以降になってしまうので、この場合はなくなることになるけど、念のため。
65歳未満の場合は、『年金の月額』と『給与の月額』の合計が28万以下であれば、減額はない。
もし、28万を超えていた場合は、65歳以上と同様に超えた分の半分(1/2)がカットされる。
年金月額 + 給与月額 > 28万円
例えば、
・年金月額:20万
・給与月額(報酬月額):20万
の場合
年金月額 + 給与月額 = 40万
合計が28万を超えているので、超えた分(12万)の半分がカット。
(40万 – 28万) / 2 = 12万 / 2 = 6万円:カットされる額
6万カットされ支給される年金は14万。
基準が28万と低いため、給与収入を65歳以上より多くもらっていそうな65歳未満の方が、カットされる可能性が高くなるということ。
収入があるのなら、65歳以降に受給開始を後ろ倒し(繰下げ)してね。という意味なのかも・・・。
65歳未満の場合、年金月額(28万超)と給与月額(46万超)によって、さらに計算方法がことなるので、詳細はこちらを参照。
60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法:日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/20150401-02.html
受給開始を繰り下げて、後々の年金額を上げる
65歳以降も、社会保険(厚生年金)に入りながら働くことができて生活費がまかなえるのであれば、カットされる年金額によっては、受給開始を繰り下げて後々もらえる年金額を増やしておく方がいいかもしれない。
5年繰り下げれば、42%も増額されることを考えれば、その方がメリットがありそうだ。
ちなみに、国民年金(老齢基礎年金)はカットされないので、働きながら国民年金(老齢基礎年金)だけは受給しておくという方法もある。
アラフィフになったら、60歳以降の働き方をどうするか考えた上で、老後の資金計画をしておきたいもの。
50代からの人生をもっと愉しくするために。